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活動報告

令和4年度の事業実施状況

当公益財団法人はより多くの日本国民に対して、当法人の目的である「茶道」を初めとする日本文化の承継及び伝播を基本方針とし、我が国の風土文化を実践体得して頂いて文化教養の高揚、啓蒙に寄与することを目標に掲げ、昭和52年11月に財団法人頌古会として設立し、新法の施行に合わせて、平成25年10月に公益財団法人へと移行、行政庁を内閣府とする変更を令和2年7月に完了、令和4年12月に事務所を移転するなど目標を達成する為の地道な活動を続けております。

令和4年度も多くの方々に公益財団法人頌古会を知って頂くよう努めるとともに公益財団法人としての社会的な使命を果すべく運営基盤の強化並びに公益目的事業達成の為の活動を実直に行いました。

当法人はより日本国民及び日本の社会に貢献すべく文化財の収集・保管活動並びに展示活動、美術講演会、講習会や体験活動の開催のみならず美術品の保存、手入れ、修復及び評価鑑定を行うことにより「美術品は財産である」との信念から財産である美術品をとおしてその価値を知り、個性豊かな文化、伝統や技術の継承と伝播に尽くすために下記事業を行いましたことをご報告します。

茶道具 古美術品等の資料展示

今年度も茶道具及び古美術品、美術品等を鑑賞いただく機会の提供として公開展示を実施することで知る、学ぶとの教育、啓蒙活動のために資料展示活動を行っております。展示室は例年どおり入場無料のまま、午前10時より午後5時迄を開館時間として毎土日祝日は閉館日、作品保護のために7~8月、年末年始の各10日間は休館期間としています。本年度の鑑賞者は、12月に展示室の移転(事務所移転に伴う)を行った際の告知が不十分であり、感染症の影響もあり11名でした。より多くの方にご来場頂くために来年度は広報媒体に告知の掲載を行い、7~8月の休館期間の短縮を含め、開館時間及び休館期間を検討中です。

政府より示された新型コロナウイルス感染症対策に関する方針に則り、以前のように多くの国民の方々にお越し頂だける様に、またお越しの皆様方に大いに楽しみ喜んで頂ける様に12月の移転時には展示品の入替を行いました。茶道具及び古美術品、美術品等に広く親しんでもらうための定期的な展示品の入れ替えや、展示方法の工夫など努力は惜しまず続けてまいります。

美術品評価鑑定、相談、指導

御依頼者様には何れもご満足を頂きよい評価を得ております当法人の美術品評価鑑定事業につきましては個人をはじめ各省庁、公的機関、地方公共団体、法人企業やその他団体等ありとあらゆる方々の財産調査に関連した評価鑑定並びに評価鑑定書の発給を多く行ってきた実績をふまえ今後も地道な活動や堅実な努力により評価額の算定、出張評価鑑定、評価鑑定書の発給とともに相談、指導、助言の依頼の要望にも努めております。多くの国民の方々に認知いただけるように美術雑誌への広告掲載やホームページによる告知に力を入れるとの方針のもと各方面に働きかけて準備をしており、受託件数の拡大を図り公益事業の主たる活動源の一つとして着実に実績が上げられるように鋭意努力をしております。その結果として、本年度の鑑定依頼件数は、延べ6件となり、次年度以降はさらなる件数の増加を見込んでいます。

「美術品は大切な財産である」との信念から美術品の管理保存方法の助言・指導はもとより、破損美術品の修理・修復の為の技術者の紹介、斡旋を広く行うことで大切に受継がれている日本中の所蔵美術品を後世へと継承していくことを目指しています。それが日本国と日本国民のためにも日本文化の承継及び伝播の観点からも著しく貢献すると思慮して本年度も活動をおこないました。相談は2件でしたが修理・修復の為の技術者の紹介、斡旋は御座いませんでした。

日本国民とって適正で公平な評価鑑定をする仕組みの構築のために、客観的に公正性をもった公明正大な評価鑑定を実施しております。昨今の誤った情報提供や評価鑑定、或いは曖昧な評価基準により不利益を受けた鑑定行為やネット上のオークション品での事案についても、公益法人である当法人が解決策となるべく多くの専門家等多岐にわたって協力を得て改善していくことで、多くの国民にその恩恵を享受してもらい、社会に貢献するべく推し進めております。その具体策として、下記④の美術品評価鑑定士制度等の確立に引き続き務めてきました。

文化講演会行事等

感染症に対する各措置の発出もあり、本年度も残念ながら感染予防の観点より講演会、講習会の開催に至りませんでした。

来年度には参加人数は50名程で無料にて定時講演会の開催を計画しており、講師予定者をはじめとする協力者との打合せを含め、検討会議を行いました。併せてお抹茶とお茶菓子をお楽しみ頂けるような催し、また講演終了後には茶会や茶事についてまた美術品に関わる質疑応答の時間も設ける予定でおり準備を進めております。

美術品一般に興味を持ち蒐集頂き後世に繋いで頂ける好事家を増やし続けるために、展示室にての茶道具、古美術品、美術品等について精通している当法人役員が行う作品の解説とともに保存と手入れについての講義、講習会も行えるように地道な活動ではありますが準備を進めております。

書籍の編纂、監修、制作及び人材の育成、教育

茶器を初め、侘び寂を基調とする道具、漆器並びに日本風土文化を形成する古今の美術品等に関する書籍の編纂、監修及び制作を各方面の著名な専門家の先生や広範な分野の方々にご協力いただきながら進めております。完成した折には閲覧、貸与および配布や寄贈の予定で進めております。

多くの国民の方々に閲覧頂き、専門家や美術品所蔵家の調査研究資料として、また愛好家、市井の方々の文化教養の高揚、知識の蓄積と啓蒙にご利用してもらい大いに好奇心を満たし、楽しみ、見識を広めて頂くために、将来にわたり大変重要であり貴重な資料の当法人所有書籍1,500冊の電子化を行うべく準備を鋭意進めております。多くの美術品に親しむことで良い作品を後世に永く残し伝えて頂く一助とし、社会に寄与することを目指しています。

当法人は独自の教科書、副読本等を制作中であり、日本国の個性豊かな文化と伝統さらに技術の継承・伝播に大いに尽くすためにも教育の重要性を思慮し、これを教材として学んで頂き責任をもって知識と技術をはかる検定試験や資格試験を実施するための準備を引き続き進めています。これにより、見識を持ち基準を満たし適正、公正に美術品の評価鑑定が行える美術品評価鑑定士の育成、輩出と学芸員等の美術品取扱者への講義、研修会を開催する事でその者の技術・技能の知識向上を図り、多くの財産を守り伝えるとの事業目的の達成と社会貢献に資するものと信じております。本年度も、多くの専門家、雑誌社また当法人への賛同者の方々を交え、多岐にわたっての意見交換並びに協力要請を行いました。

伝統工芸師育成の為の援助

本年度においても日本風土文化の維持、保存と伝承、伝達のために寄与するとの使命感をもって作業場まで赴いての助言、進言や後援、手助けを変わらず行っております。石川県輪島市の伝統的蒔絵作家、北村雲龍庵氏の元に集う伝統と技術の継承・伝播を学び習得せんとする志のある者に対し、伝統工芸の承継者のための環境を作り出し整え続けてこそ更なる社会への貢献となると確信しており、育成のための援助を行っております。また引続き優秀な他分野の有望な人物を見出すべく調査、検証しており援助、協力を模索、準備をしております。

公益財団法人 頌古会


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